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セラミックスプーン、白釉下無害なティースプーンホテルのレストラン、前菜、キッチンのデザートに絶妙

774円

セラミックスプーン、白釉下無害なティースプーンホテルのレストラン、前菜、キッチンのデザートに絶妙

機能:
1。 【耐久性素材】高品質のセラミック素材を使用し、表面は耐久性があり、長期間使用できます。
2。 【安全・無害】キッチンスプーンは重金属を含まず、安全・無害です。取っ手は長くて太いので、手の熱を防ぎ、汁物を入れるのに便利です。
3。 【多機能】このスプーンで、スープ、ご飯、野菜、シリアル、じゃがいもなど、さまざまなニーズにお応えします。
4。 【上品さをプラス】キッチンやご家庭に上品さをプラスし、食器やデコレーションとしてお使いいただけます。
5。 【幅広い用途】ご家庭、ホテル、レストランなど、さまざまな場面でご利用いただけます。お粥スプーン、前菜スプーン、デザートスプーン、オイルスプーン、クリームスプーンなどに使用できます。


仕様:

アイテムタイプ:スプーン
材質:セラミック
製造プロセス:環境にやさしい下釉色、1300°Cでの高温焼成
表面技術:下釉
色:白
重量:約。 227g / 8oz
製品サイズ:約。 14 x 4.4 cm / 5.5 x1.7インチ




パッケージリスト:
4xスプーン

セラミックスプーン、白釉下無害なティースプーンホテルのレストラン、前菜、キッチンのデザートに絶妙

 陸秋槎の『文学少女対数学少女』を読む。数学を扱ったミステリ、しかも連作短編ということで、昨年に読んだアレックス・パヴェージの『第八の探偵』を思い出したが、異なる点もまた多い作品だった。まずは収録作。

「連続体仮説」
「フェルマー最後の事件」
「不動点定理」
「グランディ級数」

 

 本書の主人公はミステリ好きの“文学少女”陸秋槎(りく・しゅうさ)と、同級生で数学の天才少女・韓采蘆(かん・さいろ)。陸秋槎が学内で発表するミステリのロジックエラーを防ごうと、韓采蘆に感想を求めたのが物語の発端である。題名から想像すると、この二人の知恵比べ、あるいは文系的なロジックと数学的なロジックの違いを対比するものかと思ったが、実際に読むとちょっと当てが外れてしまった。
 韓采蘆の存在はもう圧倒的なのである。ミステリにおけるロジックを数学的に解明しつつ、陸秋槎の書いた作品のミスを徹底的に指摘する展開。と同時に「君がそう言ったとき、かつそのときに限り。君が作者なんだから、君が犯人だと言った人間が犯人であり、君が真相だと言ったものが、つまり真相である」とも告げる。
 本格ミステリとは何なのか、ミステリにおけるロジックとは如何なる意味を持つのか。つまりは数学的にそういう実験的、評論的なテーマに挑んだ作品であり、いかにも新本格を彷彿とさせる作品である、

 ただ、この手のアプローチは一見、魅力的ではあるが、正直、やってもやってもキリがない面はある。作者のハラひとつで正解はいかようにもできるし、どんでん返しも然り。それこそ「君が真相だと言ったものが、つまり真相」なのである。
 ここまで直接的なアプローチではなくとも、こうした例は古くはホームズのパロディなどにもあるし、それこそ新本格の作品にも多い。実はこんなことは改めて言わないだけで、どの本格ミステリ作家も承知のことなのではないか。そこをいかに落としどころとして面白くするかが作家の技量次第というだけで。
 個人的にいただけないのは、本作もまた小説としての落としどころが弱いところだ。ミステリという枠や器について語ることに淫してしまい、最初こそ感心もするが爽快さや感動については薄い。説明ばかりを読まされているというと大げさだが、やはり物語との融合は重要だろう。個人的にメタミステリは嫌いじゃないけれど、著者には内に内に向かってゆく作品よりも、『元年春之祭』のように大風呂敷を広げた作品の方がロジックの切れ味も冴えるのではないか。『第八の探偵』もメタではあるし、やり過ぎのところもあって多少イラっとする部分もあったが(苦笑)、ここがきれいにクリアできていたように思う。

 もうひとつ気になった点として、いわゆる百合要素がある。陸秋槎の作品にはもう欠かせない要素のようだが、これも著者の嗜好とはいえ、個人的には食傷気味だ。それともこの点こそが今の読者の需要に沿っているのだろうか。みなさん、そんなに百合好き?
 とはいえ同性愛だから嫌だというわけではない。演出がいかにも日本のアニメやライトノベルのような描写だから気になるのである。影響を受けているのはもちろん理解しているが、キャラクター造形や描写については借り物の印象が強く、そういう意味でもこれまでとは異なる世界観の作品を読んで見たいものだ。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 あまり身辺雑記は日記に書いてこなかったが、備忘録として書いておこう。

 実は二十年以上住んでいた一軒家から引っ越すことになった。老後のことを考え、マンションに住み替えることにしたのである。昨年に四半世紀ほど役員を務めていた会社を離れ、三十年ぶりぐらいにフリーに転身したこともあって時間の融通がかなり利くようになり、この一、二年、ずっと物件探しから工事に至る諸々を進めていたわけである。
 そしてようやく工事も終わりに近づき、今月、引っ越しとあいなった。ただ、読者家にとって辛いのが山のような本である。これまではレンタル倉庫まで借りていたが、これを機にできるかぎり不要な本は処分し、すべて自宅に本を収容できるようにしたはずだが、あくまで机上の計算なので、もしかして本が入らない可能性もないではない。しかし、手持ちの本をすべて把握し、整理する最大のチャンスでもある。早めに荷造りを始め、いまはダンボール箱に本を詰める毎日である。もう手がガッサガサ。

 ちなみにこれまでは中央線の住人でしたが、京王線の住人に変わります。

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 本日もROM叢書からの一冊。T・H・ホワイトの『ペンバリー屋敷の闇』。個人的にはまったく知らない作家だったが、インターネットでザクッと調べてみると、フルネームはテレンス・ハンベリー・ホワイト。本書こそミステリだが、基本的にはファンタジーで知られたイギリスの作家であり、我が国でも創元推理文庫で『永遠の王 アーサーの書(上・下)』が邦訳されている。

 ケンブリッジ大学の学生が下宿で銃殺されるという事件が起こり、その翌朝には向かいにあるセント・バーナーズ・カレッジの一室で、評議員が銃殺死体となって発見される。しかも評議員の死は密室状態であった。当初は評議員が学生を殺害し、自殺したのかと思われた。
 しかしブラー警部はすぐに死亡した評議員の犯行ではないと見抜き、別の人物を犯人と考える。当の本人はあっさりと犯行を認めたが、立件するほどの証拠がなく……。

 販売サイトやSNSなどでも普通に書かれているのでネタバレにはならないと思うが、一切の先入観なしで読みたいという方は、以下の文章にご注意ください。

 

 本作最大の驚きはその構成である。単純に大きく二部構成を取っているのだが、第一部と第二部でまったくテイストが異なっているのだ。すなわち第一部ではオーソドックスな本格探偵小説だが、第二部ではサスペンスに変わるのである。しかも第一部は全体の三分の一ほどしかなく、そこで犯人も明らかになる。それを踏まえての、サスペンスの第二部というわけである。
 もちろん本格の中にもサスペンスを効かせたものはあるし、サスペンスでも謎解きを重視している作品もある。だがそういう融合した形ではなく、完全に第一部と第二部でスタイルを分けたところがミソだろう。正直、読み終えた今でも著者にどういう思惑があったのか不明である。これが出来の悪い作品なら単に構成が下手なだけだと思うところだが、刊行された1932年という時代を抜きにしても、本格の第一部もサスペンスの第二部もなかなか悪くないのだ。それだけに余計、このアンバランスな構成が不思議でしょうがない。
 単なる想像に過ぎないが、これは狙って書いたというより、犯人と探偵役の物語を書く中で、当時流行っていた本格探偵小説のスタイルを導入として活用した、というところではないだろうか。

 ちなみに著者はファンタジーで知られていると上で書いたが、実はそんなものではなく、本国イギリスでは多くのファンタジー作家やSF作家に影響を与えたほどの存在らしい。あのハリー・ポッターの生みの親、J・K・ローリングも、ダンブルドア等のキャラクターなどにその影響を認めている。『永遠の王 アーサーの書(上・下)』に登場する魔法使いマーリンがそのモデルらしいので、ハリー・ポッターファンは確かめてみるのも面白いだろう。

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 先月、三月三日に西村京太郎氏が亡くなった。享年九十一。直前まで執筆を続けられたそうだが、トラベルミステリを中心に生涯647作という信じられない数の著作を残した。そのためミステリ的には軽く見られたところもあったが、ただ、多作家であるためには、それだけの需要がまず必要なわけで、そういう意味では奇跡的といっても差し支えないだろう。
 しかも単なる多作のベストセラー作家というだけではなく、デビューからから七十年代にかけては傑作も多く、改めてその凄さが注目されている。乱歩や正史、清張らとは方向性は違うけれども、西村京太郎もまた日本ミステリ史に燦然と輝く作家の一人なのだ。

 

 とまあ偉そうに紹介はしてみたものの、そういう管理人は恥ずかしながら長篇は名探偵シリーズぐらいしか読んだことがない。昭和のミステリ作家をぼちぼちと読み進めていることもあって、初期作品は買い集めてはいるものの、まだ順番待ちという状態である。
 そんなところに登場したのが、〈オール讀物〉編集部による『西村京太郎の推理世界』。西村京太郎の軌跡を辿った一冊である。今後の西村作品を楽しむためにちょうど良いのはもちろん、もともとガイドブック好きな管理人としては買わないわけにはいかない。

 ただ、心配な点もあった。訃報から本書の刊行までがあまりに早く、スピード重視で作った雑な本である可能性があったからだ。しかしながら、ひととおり目を通し、この短期間でよくぞここまでまとめたなと感心してしまった。とりあえず目次を載せておこう。

追悼 レジェンドに贈る感謝とお別れの言葉
 赤川次郎「0.1ミリの違い」
 東野圭吾「小説家として」
特別対談 綾辻行人×有栖川有栖「僕らの愛する西村作品ベスト5」
オール讀物推理小説新人賞受賞作全文掲載「歪んだ朝」
 受賞のことば 「嬉しさでいっぱい」西村京太郎
 第2回オール讀物推理小説新人賞決定発表 選評 有馬頼義/高木彬光/水上勉/松本清張
随想 ベストセラー作家前夜
 「推理小説新人賞」の頃
 「瞼の師」長谷川伸
オール讀物傑作選
 「美談崩れ」 1965年9月号「見舞の人」 1967年3月号
 「夜行列車『日本海』の謎」1982年12月号
 「事件の裏で」 1983年7月号
座談会
 「オール讀物」と推理小説の90年 北村薫×北上次郎×戸川安宣
作家同士で語り合った四方山秘話
 山村美紗「事実は推理小説より奇なり」
 阿川佐和子「唯一無二の同志兼恋人」
 佐野洋×三好徹 司会・大沢在昌「ミステリー界の巨人たち」
 赤川次郎「ミステリーを書き続ける幸せ」
トラベルミステリーと歩み続けて
 宮脇俊三「ミステリーはローカル線に乗って」
 インタビュー 「鉄道と小説を愛して」「家の履歴書」
 絶筆 「SL『やまぐち』号殺人事件」の日々
生涯647冊全著作リスト

 もちろん新規の原稿などは少なく、過去の短篇やエッセイ、対談など、再録中心ではあるのだが、それにしても網羅的にポイントを押さえている。作家デビューの頃、トラベルミステリ創作の話、山村美紗との思い出など、ファンであれば気になるネタも多いのではないか。短篇としてはデビュー作の「歪んだ朝」をはじめ、オール読物からの傑作選ということで計五作を収録。
 新規の記事としては赤川次郎、東野圭吾による追悼文、綾辻行人×有栖川有栖による西村作品のベスト5を選ぶ対談があり、とりわけ西村入門者には対談が役に立つ。
 そして記事ではなく資料になるが、巻末の「生涯647冊全著作リスト」がこれまた非常に便利でありがたい。

 ということで西村京太郎のよき読者でなくとも、ミステリに少し深く付き合いたいという人であればこれは買い。管理人も本書を参考に少しずつ西村作品を読んで供養としたい。


テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 今月はいよいよ扶桑社ミステリーで『レオ・ブルース短編全集』が出ることもあり、その前に景気付けというか前祝いということで、これまたとっておきのROM叢書からの一冊『死者の靴』を』を引っ張りだしてみた。

 こんな話。モロッコのタンジールからロンドンに向かう貨物船サラゴサ号。その乗客の一人、ラーキンは大声や不作法で他の乗客から嫌われていたが、さらには殺人容疑の噂まで上がっていた。ロンドンで散歩中に大富豪グレゴリーが殺害され、ラーキンはその現場の近くで目撃されており、しかも事件後すぐにタンジールへ逃げていたのだ。さらには警察の調査で、グレゴリーから度重なる送金を受けていた事実も明らかになっていた。
 ところがロンドン到着も近いある日の夜、船から誰かが落ちる騒動があり、ラーキンの姿だけが見当たらない。調査を始めた船長は、ラーキンの部屋でグレゴリー殺害と自殺を示唆する書置きを発見した。だが乗客の一人ローパー夫人はこれが他殺ではないかと考え、船から降りると歴史教師の素人探偵キャロラス・ディーンに一報を入れる……。

 

 『ミンコット荘に死す』『ハイキャッスル屋敷の死』の間に書かれた1958年の作品。ディーンものとしては四作目だが、ブルースの長編としては十三作目。そういう意味では中期ぐらいの作品といっていいのかもしれない。
 如何せん後期の作品がほぼ未訳なので作風の移り変わりなどは把握していないが、中期頃の作品に関してはディーンものがスタートして安定的に長編を発表していた時期でもあり、邦訳されたものについてはほぼハズレがないのが素晴らしい。どころか最低でも佳作レベルというアベレージの高さである。本作もその例に漏れず、十分に満足のいく一冊であった。

 ただ、メイントリックがいつもより読まれやすいというか、1958年発表ということを考慮しても、少し古い感じは否めない。基本的にはメインとなる仕掛けでほぼ一発勝負。それを柱にしてユーモアで味付けしたシンプルなミステリである。個人的に著者のセンスが好み(仕掛けや作風すべて込みで)ということもあるので、やや甘い基準にはなるが、語り口は楽しいし、ミスリードが上手いので、そこまでバレバレという感じではない。
 その一方で、相変わらず地味ではあるものの、航行中の貨物船で事件が幕を開けたり、中盤でもディーン自身がモロッコに向かったりと、ストーリーとしては比較的珍しい趣向があってその辺は楽しいところだ。もちろんゴリンジャー校長との掛け合いなどはいつもどおり絶好調である。

 なお、「訳者あとがき」によると小林晋氏は今後も年一作のペースで長編を刊行し、日本語版全集完成を目指したいとのこと。まだまだ作品は残っているが、ぜひ頑張っていただきたいものだ。期待しております。

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 大下宇陀児の短篇「亡命客事件」を読む。湘南探偵倶楽部さんの一冊。

 小さな温泉町で春から夏にかけて湯治をしていた“私”は、支那から亡命していた洪さんと知り合いになるが、あるとき列車で出かけたまま行方不明となる。
 その後、渓谷から首のない死体が発見された、所持品から洪さんだと推測された。実は洪さんは支那の反対派から賞金をかけられており、刺客がその証拠に首を持っていったものと思われた。
 しかし、友人の弁護士・俵には、違う見方があった。洪さんの所持金を狙った犯人が、支那からの刺客の仕業に見せかけて洪さんを殺害したのではないかというのだ。やがて洪さんと“私”の泊まっていた温泉宿の主人が容疑者として逮捕されるが……。

 

 これは面白かった。ガチガチの本格、しかもいわゆる“首のない死体”ものである。今のミステリファンには“首のない死体”ものというだけで、犯行の構図は読めてしまうだろうが、当時としては十分だろう。
 ふたを開ければ真相自体はシンプルなのだが、構成が上手く、重要な情報をタイミングよく提示することで、その度に事件の様相を変えてみせる。次々と局面が変わる、といえば大袈裟だが、とにかく読者をまったく飽きさせない工夫がいい。
 探偵役・俵の苦悩や、語り手の“私”の後悔といった味付けもうるさくならない程度に加え、ストーリーにも膨らみも持たせているし、オチもきれいだ。

 唯一、温泉宿の主人の容疑をどうやって晴らしたかについては詳しい説明がなく、そこだけが残念。その部分さえきれいに決めていれば十分傑作といえただろう。とはいえトータルではアンソロジーなどに採られてもよいレベルで、これはおすすめ。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 読書系サイトやSNSで気になる本はある程度は押さえているつもりだが、それでも何かの拍子でまったくアンテナに引っかからない作家や作品がある。本日の読了本『やんごとなき読者』もそうした一冊で(ミステリではないけれども)、白水社から単行本で刊行された当時はもちろん、昨年に白水Uブックス版が出たときも見事にスルーしている。
 誰も知らないようなマイナーな本ならしょうがない。だが、読後にネットで調べると、これがまた当時はけっこう評判だったりする。それなのに気づかない。そして何年もしてから、ヘタをすると何十年もしてから、何かの拍子に、その本の存在を知るのである。
 まあ読書好きならよくある話かとも思うが、悔しいので、こういう現象は神様が読みどきを教えてくれているのだと考えるようにしている。こちらがその本を受け入れられるような精神的体勢が整うまで、あるいは成長するまで、本が待ってくれているという解釈だ。まあ、なんてメルヘンチック(笑)。

 どうでもいい枕はこのぐらいにして。
 本日の読了本、アラン・ベネットの『やんごとなき読者』の感想に入る。まずはストーリー。

 ある日、愛犬の追いかけてウィンザー城の裏庭へやってきた英国の女王陛下。そこでたまたま巡回していた移動図書館の車と、本を借りようとしていた厨房で働く少年に出会う。特に興味はなかったが、図書館の担当者と話した手前、礼儀上一冊ぐらいは借りないと申し訳ないと思った女王陛下。その一冊をきっかけに読書の楽しさに目覚めた女王陛下だったが……。

 

 ああ、これはよい。特に大きな事件もなく、女王が読書の魅力にハマっていく様をさらっと描くだけの小説がこんなに染みるとは。
 確かに大きな事件などはないのだが、それでも女王陛下という立場上、読者に時間を取られることでその影響が周囲にさざなみのように広がっていく。その結果、側近たちが何かと振り回される様子がユーモラスで楽しい。何より、なぜ読書は楽しいのかということを、女王がステップアップしていく様子と絡めて見せてくれ、これもまた読書好きにはたまらないところだろう。

 ただ読書の楽しさだけを語っただけの小説かというと、実はその裏で意外に深刻なテーマも孕んでいるように思える。それは女王が読書によって成長することで、女王という存在の歪さや問題点も浮き彫りにしていること。全体にソフトでユーモラスな雰囲気に包まれてはいるが、こういうビリッとした風刺的な視点があるから油断できない。

 そして、それらすべてを踏まえての、ラスト2行のセリフ。そこに込められた女王陛下の決意に思わず心が震えた。お見事。


テーマ:書評 - ジャンル:本・雑誌


 英国の作家ビアトリクス・ポターが生んだピーターラビット。その物語が出版されて今年で120周年ということで、世田谷美術館で「出版120周年 ピーターラビット展」が開催されており、本日、足を運んでみた。


▲世田谷美術館は砧公園内にあって、鑑賞後の散歩も悪くない。まあ、本日は雨でしたが。

 展示内容としては、ピーターラビット誕生から出版までの道のり、その後のブレイクの様子や著者自らが監修したグッズ展開に至るまでを、原画や現物と共に理解するというもの。
 個人的にはマニアというほどではないが、原作は一応すべて所持して読んでいるし、映画化作品はもちろんバレエ作品や著者の伝記や著者自身の障害を映画化したものもひと通り押さえている。埼玉県のビアトリクス・ポター資料館や何年か前にあった「ビアトリクス・ポター生誕150周年ピーター・ラビット展」なども見学済みなので、まあ、そこそこファンと言ってもいいだろう。
 だから展示会などで許可されるような原画などはある程度見たことはあるはずだが、けっこう初見のものも多くて十分に楽しめた。とりわけ面白かったのはピーターラビットのグッズ展開に対し、ポター自身がかなり乗り気だったことで、ボードゲームとかも自分でデザインはもちろん内容も企画しており、そのサンプルが展示してあるのはなかなか興味深かった。





 なお、中は撮影禁止だが、一部、撮影コーナーが何箇所か設けられていて、女性ファンがひっきりなしに撮影しておりました(その中に混じっているオッサンの自分はなんなんだろう(笑))


▲お土産はお約束の図録。相当なボリュームで2700円弱だからこれはお得。

テーマ:児童文学 - ジャンル:本・雑誌


 湘南探偵倶楽部さん発行の小冊子から大河内常平の短篇『海底の情鬼』を読む。
 相模灘に面した小さな漁村に似つかわしくないコンクリート造りの別荘があった。主人は東京の資産家の跡取り息子・隆次郎。彼は村人とは関係を持たず、通いの老婆、雑用係の漁師・徳治という若者だけを雇い、専ら魚類の研究に没頭していた。だが、そんな隆次郎の元に許嫁・冴子がやってきたばかりに、彼らの運命は大きく狂い始める……。

 

 冒頭で隆二郎の死と、その容疑者が徳治であると語られる。だが、その裏にはどのような事情があったのか、徳治が隆二郎に雇われた頃から物語は巻き戻される。
 ひと言でいえば魚類研究者の狂気を描いたスリラーで、話自体はシンプルな復讐譚だ。しかし魚類研究者・隆次郎のねじれ具合というか、ぶっちゃけ海底に沈む死体を愛撫するというイメージが鮮烈すぎて、短いながらも読み応えあり。やはり大河内常平は面白いな。

 なお、読後にネットで調べてみると、本作は盛林堂ミステリアス文庫から刊行された『人造人魚』にも収録されているようだ。なんだ、そっちも持ってるじゃないか。こりゃ積ん読のバチが当たったか(苦笑)。というか論創ミステリ叢書の『大河内常平探偵小説選』も積んでいるし、そろそろ消化する頃合いなのかな。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌


 本日の読了本はE・C・R・ロラックの『殺しのディナーにご招待』。まずはストーリーから。

 ロンドンのフランス料理店〈ル・ジャルダン・デ。ゾリーヴ〉に集まった八人の男女。彼らに送られた招待状によると、ハイクラスの紀行作家の親睦団体〈マルコ・ポーロ・クラブ〉での入会が認められたという。しかし、それは主宰を騙ったトローネという男による悪戯であることがわかり、集まった者たちは仕方なくディナーだけを楽しむことにする。
 ディナー終了後、いろいろあったにせよ無事にディナーが終了したことに安堵する店主のアンリ。ところが店内を巡回しているとき、配膳代の下に転がっているトローネの死体を発見する……。

 

 ロラックはこれまで六作ほど読んでいる。いずれもそれほど悪くはないのだが、突出したところもないのが正直なところ。本格ミステリとしての結構や要素は十分に備えているし、人物描写なども丁寧で巧いと思うのだが、如何せん、これだという決定力に欠けるのが惜しい。

 そこで本作だが、まあ、導入や設定は悪くない。
 面識はないけれども互いに名前ぐらいは知っている業界人が八名。彼らが続々とディナー会場のレストランに現れる場面は、クリスティの代表作を例に挙げるまでもなく、ミステリではお馴染みのオープニング。そこに被害者と犯人を含む重要人物全員が登場していることはお約束であり、いやが上にも期待感を膨らませてくれる。
 しかもその直後に肝心の主催者が殺されており、掴みは十分といえるだろう。

 だが、その後がちょっといただけない。マクドナルド警部の捜査とは別に、ディナー参加者たちも独自に調査や推理する展開になるのだが、ストーリーにいまひとつキレがない。せっかくディナー参加者を八名も揃えておきながら、肝になる人物はごく少数に限られ、せっかくのオープニングも尻すぼみになっている感じだ。
 人物描写にしても同様だろう。肝になる数名以外は、いかにも頭数合わせというレベルで、ミステリの質的向上にはあまり貢献していない。いつもなら人間描写だけは期待を裏切らないロラックだけに、本作のイージーな書き分けはちょっと残念だった。

 まとめ。導入や設定だけでなく、犯行動機の背景だったり真相もそれなりに面白かったので、惜しい作品ではある。特に中盤以降のストーリーの膨らみや描写にもう少し工夫していれば、もっと印象深い作品になった気はする。決定力、例えば強烈なトリックや度肝を抜く真犯人などは端から期待していないので、せめて完成度は高めてほしかったというのが率直なところだ。


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